かもつぶ。

かものはしのつぶやきなので、かもつぶ。

ガラクタ?or ヘヴン?

こりゃーなんだ?
すっげー贅沢なガラクタ?
それとも幸せな天国?

1部2部あわせれば3時間コースの大セッション。なんたって1部1曲だもんねー。
大爆笑。
って、ほかの客はあんま笑ってませんでしたので、
どうなんでしょうね。

ebby(G)、whacho(per)、ヤヒロトモヒロ(per)、ホッピー神山 (key)
首謀者のバカボン鈴木(B)、窪田晴男(G)、
井上鑑(Key)、仙波清彦(Per)、坂田明(Sax)
そこにやってきた村田陽一 (Tb)
本当は鶴谷智生がドラムの予定だったのが、家庭の事情により急きょ石川雅春に。

ヤンチャなツワモノども。でも大笑いのバカモノどもでもある。
異種格闘技戦かと思いきや、そうでもない。
もうね、闘うとか出し抜くとかそういう次元じゃないね。
さらなる上があるんだと、教えていただきました。
ありがたや。

ヤツラがくり出すその怒濤の即興音楽。くりひろげる風景はまるで石川淳狂風記』。積み上げられてくガラクタの数々が、ほんっとうに二度と手に入らないホンモノなんだ。
そのホンモノのガラクタをバキバキと踏み壊してるような。

ステージの上、渦が見えました。
グルーブが渦巻いてました。

ホッピーはなにやらわからない装置で(後でよくみたら結構アナクロなカセットだとかCDだとかなんだけれど)ノイズやら信号出しまくり。
坂田さんはバラララララバラップヒャップヒ〜……
村田くんは、うれしいねえ。じゃがたら時代の音色、かましてるし。
窪田晴男は1部ラストに放置プレイな目にあってるし(笑)
2部になってebbyとついに、爆音がああああああ。待ってました!
バカボンとドラムの石川雅春の二人はそんなヤツらをニヤリと見ながら我が道を行くのです。
ヤヒロさんのジャンベはこれだけの厚みの音の中で、下からときおりドゥワン、と大地の音を轟かせ
逆にwhachoはすごーくなーんもしてないふりして、さらっとヘンな音色とリズム出してるしなあ。

この顔ぶれの中では異色なのは、井上鑑
ピアノの上にムーグ、おかれてます(笑)
でもねえ、このワイルドで暴れまくってるグルーブと音たちの間隙を、なんとも華麗なピアノで泳ぎきるのですなあ。
2部で一度終わるかと思いきや、
ホッピーがノイズまくった後にいきなりプログレな城、建てかけちゃうしねー。あー、建ってる建ってる。城建ててます。
でも、
ほーら、壊されちゃった(笑)

この緊張と緩和、収縮と膨張、その繰り返しの波間で
聴いてるこっちはぐるぐる、ぐらぐら。
気持ちいー。

しかし。
やっぱりもってっちゃいました。
仙波師匠。
いや、このセッション、仙波さんいるのといないのでは大違いだっただろうな。これだけのリズムの嵐、音の暴風の中で、あまりに的確。もうトライアングル1個でも、全体の音の中でなるこの金属的な音色の音程の良さ!
どの鳴りモノも、的確な響き。
こーりゃすごいわ。
リズムいいのは当たり前。この一瞬にして響かせる音色の音程を調整できるってのがすごい。だって。ただの金属やらプラスチックなマラカスやら、運動会で使う笛やら、なんやらっすよ。
ま、達人っつうことですな。

それにしても、久々に見聞きしました。
ポケット瓶。
芸です、これ、もはや演奏ではなくて芸です。
いいちこの透明ポケット瓶に適度に水を入れ、
横にして爪で弾く。
キレイなガラスの音がする。
瓶を傾けて水の量を調整して、音階変える。

これ、やりたくなります。
すぐできそうです。
いや、音は出ます、すぐ。
でもできねーんだよっ!

贅沢なガラクタで天国。
しかし。
もうちょっとで帰れないかと思った(笑)。
アンコール出てたら、終電行っちゃったと思う。きっと。