かもつぶ。

かものはしのつぶやきなので、かもつぶ。

頭を垂れる

頭を垂れるのと
頭がさがるのとでは
違うのであった。



いや? ある意味同じかな? うーむ。



こうべをたれるほどたわわに実ったご飯はおいしい。
えらい。
地球えらい。
日本えらい。
でも苦労して苦労して一生懸命、体にいいご飯を作ろうと考えてくれてるお百姓さんはもっとえらい。
頭がさがる。



頭がさがったのは
星新一の評伝で
この一つ一つの書かれていることの裏側に、その何千倍、何万倍の資料の検討、裏付けが見て取れるからだ。
その徹底的に検証したことが
かえって星新一という作家の悲哀と宿業、人間を描きだしている。



星新一の評伝を読み直しながら
ご飯を作る。



今日のご飯は
豆ご飯と
カレイの煮付け。
それに菜の花の煮浸し。
春菊の胡麻和え。
納豆の春巻き。
ワカメと青ネギの味噌汁。



カモのご飯は、気づくと彩りが単調になってる。
今日のご飯は緑色ばかり。
ああ、春巻きとカレイは茶色だ。
味噌汁が間をとって、茶色に緑。



茶色と緑は自然の色。
大地と草木の色。



海の色と空の色はごはんにはムツカシイ。
の、だけれども、
湯気のたつ味噌汁の中には深遠があり、
生まれず捕られて喰われてしまったハラコや
あれこれ思えば
生命の神秘も宇宙もそこここにある。



カモは毎日宇宙をありがたくいただいている。