ラ・カーニャ10周年のしめくくり
最後のライヴは大塚まさじなのでした。
ラ・カーニャの前身のレイズ・ブギーは、開店予定日の1日前にムリヤリ開店という憂き目にあったのでした。なぜなら、その日、大塚まさじの10周年記念ライヴが東京であったから。そう、明日開くらしい、じゃあ、今夜いるだろう、やっぱりいたね、打ち上げだ〜!ってなわけで、打ち上げで押し掛けたのが実質、開店日になってしまったわけで。
それが24年前。その時にまだ下戸のカモも混ざって行って、以来のおつきあいです。
それを考えれば、ラ・カーニャ10周年最後の日が大塚まさじだってのも納得いったりするのでした。一応、まだ若人の日がもう1日あるんだけれどね。なんとなくやっぱりシメって感じです。
大塚さんのライヴ、田川律さんの料理付き。ついでにゲストはとしき&としき。
さわだとしきさんと綾田俊樹さんの二人。
さわだくんは太鼓、たたいてました。
綾田さんは司会したりハモニカ吹いたり、うっかり高田渡の『夕暮れ』を歌ったりしてました。いいなあ。ヘタヘタなんだけれど、それがあの飄々とした風情と似合っていて、味わいになってる。人生の達人は芸に秀でるんだ。自由劇場時代はウッド・ベース弾いてましたね、綾田さん。「坂本龍一のピアノ! 鈴木茂のギター! そしてなぜかわたくしがベースでございました」だって(笑)。
『サーカスにはピエロが』で始まって象さんとKUROちゃんの作った名曲『アフリカの月』も『天王寺想い出通り』もあれば、最後は『おとこらしいってわかるかい』。昨夜、ここラ・カーニャでみんなで見ていた『ラスト・ワルツ』でも歌われている『アイ・シャル・ビー・リリースト』をこう訳した。
♪男らしいってわかるかい? ピエロや臆病者のことさ
朝日はまたのぼるよ 少しづつだけどね その時、その日こそ 自由になるんだ
いいなあ。この訳詞、好きだなあ。
そうそう。田川さんの作ったブイヤベースもおいしくてすてきだったけれど、田川さんが作った歌もすてきなんだ。それは「うた」という歌。
初めて聴いたのは、ディランIIが解散したライヴの東京版で、池袋のシアター・グリーン。HOBO's CONCERT。あの時も田川さん、歌ってた。あの時からなんてすてきな歌だろうってずっと思ってたんでした。
冒頭に書いた大塚さんの10周年では大塚さんが歌ってレコードになっている。
♪くたばってもいい、死んでもいい
僕の血がそっくりそのまま 声となり、言葉となって 今を、時代を歌うなら
ときどきね、やっぱり聴きたくなる歌ってあるんだよなあ。
そういう歌の1つどころか、いくつもそういう歌を持ってる人、書いた人ってすごい。