かもつぶ。

かものはしのつぶやきなので、かもつぶ。

下北ひなぎく団

ラ・カーニャにまたもや行くのであった。
一応、先月いっぱいが10周年なのだけれど、3日は若人の日だったのでした。これが良かったな。何が、って、ライヴはもちろんなんだけれども、このハミダシ分が新しいラ・カーニャの11年目のライヴ・スタートってのがいいなあ、と。

さて。
ライヴをやったのはハンバート・ハンバートという若いカップルとサポートメンバーのライヴ。
それと、きたはらいくちゃんという女の子のライヴ。

ハンバート・ハンバート
なんでだか20代半ばだというのに、細胞の中にフォスターが生きてる感じがする。どうしてこういう音楽になったのか、今度話聞いてみたいなあ、と思うのだけれども、初期PPMサイモン&ガーファンクルといったハモリ方を男女でするので、気持ちいいんだよなあ。女の子のノンビブラートのまっすぐな歌声が、どこまでも伸びて、これまたそういう音楽にいいんだよなあ。
きたはらいくちゃんは
ピアノで曲を作る女の子。ありがちなピアノソングライターという感じではなくて、もう少し、陰影のはっきりした立体的な歌を作る。なかなか良いです。まだまだ修行中の部分もあるけれど、いきなり人の深いところに飛び込んでくる面白さもある。少し変わってきたなあ、と思うのは、なんとビックリ、今日は『泣くかもしれない』をカヴァーしていたのだった。その原曲と彼女というのは正反対といってもいいような世界なんだけれどもなあ。よくカヴァーしたなあ。
「いい曲だから」と言ってたけれど、この歌をここまで自分の世界に持ってこれるとは正直驚きました。
なぜって、下田逸郎だからね。下田さんの歌、好きなものがすごく多いんだけれども、ほんとにキワのキワにある、濃い歌が多い。この曲もそうなんだよなあ。でも、こうアレンジできるんだあ、ってびっくり。

しかし! 最後。大笑い。アンコールでいきなりサポート・メンバーも全員呼んで、はじめたのが(ほんとに打ち合わせなかったようで、ステージ上で打ち合わせてました)なんと、『生活の柄』。
もう、爆笑です。なんで? なんでここで高田渡? そしてもう1曲が『プカプカ』。こりゃまたなんで? なんでさらに西岡恭蔵
それを懐メロでなく、彼らなりの「いい曲だなあ」という感性でやってくれるから、いいんだよなあ。ヘンなやつら。
なんかこのセッションが、ちょうどいいヘナチョコさ加減で、これがね、なんともいいんです。
ハンバート・ハンバートの歌に『ひなぎく』って歌があって、とても良かったんだけれども、なんとはなしに武蔵野タンポポ団ならぬ下北ひなぎく団、って感じしたぞ〜

歌は世につれ、世は歌につれ
なんて言うけれどね。
歌ってこうやって継がれていくんだなあ、と、しみじみ。ちょいと涙