かもつぶ。

かものはしのつぶやきなので、かもつぶ。

声にしびれたりして

本日、以前より決まっていたイベントが2つ重なる。

1つは長門芳郎氏と土橋一夫氏によるpied piper days。
今年1年のリクエスト大会とあって、にぎわっている。
いやあ、出てくる出てくるレア・アイテムですが、残念ながら、出がけに仕事関係のめんどうくさい電話があって出るのが遅れたら、地下鉄が途中で止まってしまった。
大回りでついたときには大遅刻。
がーん………。

というわけで、数曲しか見れず聞けず。ご尊顔を拝したのみにとどまり、
閉会前に有楽町を後にして、狭山市まで。
狭山ではRoA(Rock of Age)。今夜はビートルズ大会。
12月ですもの。命日ですもの。
といいつつ、ビートルズばーっかりだったのでした(大笑)。

RoA狭山市駅近くのふぃがろという飲み屋のイベントで、
地元の高校の先生、ふぃがろ店主、歯科医という3人の同級生が始めた「ロック喫茶(おちゃけも含む)」イベント。とにかく好きなレコードをかけよう、飲もう、というもの。ほかにもいろんな音楽聞きたい、知りたいぞ、ってなものです。

実はこのお三方、若かかりし頃に渋谷のブラックホークに通ったり、あれやこれやという方々で、最初このイベントも「ブラックホーク・アゲイン」といっていたくらい。
大人になったって、すてきな音楽を聞いていたいんだよ。そうだ、そうだ。
そして、ここにはもう一人、山本智志さんが関わっている。
音楽の編集者であり、評論家でもある山本さんは、この狭山に在住。
ある日、子供の学校の先生が、山本さんがライナーノーツを書いたレコードをどっさりと抱えて家庭訪問してきた(つまり前述の高校の先生ですな)、という。以来のおつきあいとのこと。


pied piper daysもこちらの狭山もどちらも1度ゲストで呼んでいただいて、以来、毎回、おもしろいのでウロウロしているわけです。
狭山では音楽評論家の小尾隆さんも同じような感じで毎回、楽しそうにレコードをかけてらっしゃる。ここが一番、レア・アイテム多いです(笑)。


そう、この狭山はレコードをコメントしつつかけよう、というゆるやかなロック飲み屋方式。最後には一般参加のみなさんの「この1枚」をかけるというのがあって、ここがおもしろいのだ。なんたって先生の生徒たち。卒業生たちや現役高校生の『この1枚』は「母親の棚にあって、カッコイイって毎日聞いてます」なんていう『マイ・シャローナ』だったり、何持ってきても今ハマッテいる現役感あるコメントだったりする。この説明ってのがおもしろいんだよなあ。

今回の狭山RoAのゲストは恩蔵茂さん。元ラジオ雑誌の編集長であり、昨年ほーんとにおもしろい本『ビートルズ日本盤よ、永遠に』を書かれたお方。
この本、何がおもしろいのかといえば、ビートルズ蘊蓄本はただあれど、こんな風にしてビートルズを追いかけてたという、中学生、高校生の熱い思いがそのまま、読みやすく整理され、なおかつ取材もあり、新しい日本だけの事実もあり、となっているところ。
読んでいるとそのまま、同じように夢中になって心の旅をしてしまうのだ。

というわけで、恩蔵さんよりのレアものが出てくるかと思いきや。
「いかにジョン様がすばらしい歌声であったかという選曲」という、マニアにも知らない人にも楽しめる選曲と解説で、しかも恩蔵さん、お人柄がオモシロすぎ! 
ヨン様ならぬ「ジョン様」。
かけるたびに「ジョン様の後を追う、ポール、ジョージのこのハーモニーの美しさ!」「リンゴちゃんのこの、ここのドラムが!」………と、一瞬にして少年に戻ってしまわれるのである。カモとしては先達にはなはだ失敬を顧みず、つい「オンさまでしょう、ご自分だって」とツッコンでしまいました。すいません。ヨンさまオンさまジョンさま……人生はヤヤコシイ。
ちなみにこの恩蔵さん、サンセッツのベーシスト、恩蔵氏の兄上でらっしゃる。しかし風貌は松本隆氏ににてらっしゃる。え? ドラムやってらした。あらー。それはそれは。
え? しかもタイガースのピーさんと同級生? ってことは松本さんと同じ学校じゃあございませんか。あらー。そりゃそりゃ。え? はっぴいえんどBYGに見に行ったら、松本さんと間違えられて声かけられたことがある? わははは、そりゃーそりゃー。

さらにフラリと寄ってくださった、狭山在住27年の洪栄龍さん。
これがまたレア・アイテムをお持ちで。60年代末ごろに日比谷野外音楽堂で行われたNO WAR!!コンサートの当時のポスター。おおっっっっ。いいなあ、これすげえかっこいい。

しかし!
平均年齢の高いイベントながら。
これまで大勢が集った時もありました。内容が異常にマニアに濃いときもありました。
しかし、かつてこのイベントでこれほどまでエア・ギターとエア・ドラムが登場した回がありましょうか。世もふけて酒量が嵩む中、オジサマ方の「弾く!」「叩く!」(もちろん、エアーです)、歌う、ハモる(こちらは歌声喫茶状態です)、は、地下の店から夢幻の湯気となって、そぼふる雨の狭山の空へと吸い込まれていったのでした。はい。